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ついに映画までNFT化!買い方や販売・出品方法について徹底解説
NFT映画とは、映画作品をNFT化したものです。NFT映画の過去の事例に触れながら、その特徴と魅力、将来性について確認していきましょう。また、NFT映画の出品方法や、購入方法についても徹底解説していきますので、初心者の人も安心してご覧ください!
目次
1.NFT映画とは
NFT映画とは、ブロックチェーン技術を使って「代えが利かない」ことが証明された映画のことです。
そもそもNFTとは、Non-Fungible Tokenの略で、日本語では非代替性トークンと言います。意味はそのまま「代えが利かない電子データ」です。ブロックチェーン技術を使うことでコピー作品が作りづらいため、映画やデジタルアートも電子上で売買可能となりました。その市場は、2022年時点で約30億米ドルにも及ぶとされています(参照:Non-Fungible Tokens Market by Offering (Business Strategy Formulation, NFT Creation, and Management, NFT Platform – Marketplace), End-user (Media and Entertainment, Gaming), Region (Americas, Europe, MEA, APAC) – Global forecast to 2027丨MarketsandMarkets)。
そんな中、2022年に入ってからさまざまな人が映画のワンシーンや、長編映画をNFT化する事例も増加中です。動画をNFT化した「NFT動画」も含めて「NFT映画」と呼ばれることも多いようですが、本記事ではNFT化された映画に焦点を当てて紹介していきます。
2.NFT映画の特徴 どんなメリットがある?
NFT映画の特徴は次の3つです。
(1)転売される度に利益を得られる
NFTは売られる度に、その製作者にロイヤリティが還元されます。これは、製作者から購買者へだけでなく、購買者から購買者への経路でも同じです。
そのため、例えば、制作した映画の人気が広まって購買者同士の売買取引が盛んに行われれば、それが続く限り、製作者は何もせずに利益を得られるようになります。
(2)製作側と支援者の距離が近くなる
ブロックチェーン技術やNFTを使えば、映画のコミュニティを作ることもたやすくなります。
例えば、ブロックチェーン技術を使うと、視聴者ひとりひとりを可視化できます。それによって、NFTホルダーによる投票で映画の方向性を決めたり、運営側が特定の視聴者に利益を還元したりすることも可能です。これをうまく活用し、初期参加者が有利になるシステムを作れば、製作側の資金調達がこれまで以上に楽になるでしょう。
このように、いままでいち視聴者だった人が、映画に「参加」できるようになるところがNFT映画の魅力のひとつです。
(3)仲介手数料が取られずに済む
これまで映画を製作し、販売するには仲介業者が必要でした。デジタル上のデータはどうしても不正にコピーされてしまうため、防ぐには業者に頼むしかなかったのです。製作側は多大な仲介手数料を取られてしまい、利益を上げることがなかなか難しいというのが現状でした。
NFTはデータが唯一無二であることを証明できる技術のため、そもそも業者に依頼する必要がなくなります。手数料を支払う必要がない上に、好きな方法での販売も可能です。このように、製作側が出品する際の自由度が上がるところが大きな特徴として知られています。
3.NFT映画の事例3選
ここからは、これまでにNFTとして販売された映画を紹介します。
正確には映画自体をNFTにするというよりは、チケットをNFTにするケースが多いようです。
(1)アカデミー賞受賞俳優主演「ZERO CONTACT」
ZERO CONTACTは、2022年5月にリリースされたSFホラーの映画です。主演に選ばれたのは、アカデミー賞主演男優賞の受賞歴があるアンソニー・ホプキンズさん。撮影はコロナ禍でロックダウン中だった2020年に、完全リモートで行われたそうです。
今からでも購入できるNFTは以下のようになっています。販売開始時には映画のセットを訪問したり、映画に役者として参加したりできる「プラチナチケット」などもあったようです。
名前 | 値段 | 特典 |
---|---|---|
EXCLUSIVE EDITION | 59ドル | 長編映画 舞台裏特集 サイン入りデジタルポスター 3人のキャラクター詳細 |
COLLECTOR’S EDITION | 25ドル | 長編映画 デジタルポスター |
興味がある方はこちらの予告編もご覧ください!
(2)史上初の長編映画NFT「Killroy was here」
史上初の長編映画NFTを自称している「Killroy was here」。ClerksやChasing Amyなどを手掛けてきたケビン・スミス監督の最新作です。ただし、視聴できるのはKillroy NFTのホルダーのみ。コレクションは全部で5555個となっています。
2022年4月に新作映画をホルダー限定公開にすると発表した際は、NFT業界・映画業界両方から注目を浴びました。Killtoy was here NFTには、映画を視聴できる以外にも以下のような特典が付いてきます。
- ケビン・スミス監督のサイン入り脚本
- 45種類のcomic videoのうちの1つ
- 購入したNFTを収益化する権利
- Killroy was hereコミュニティへの参加権利
また、高額なKillRoy Premiere NFTには以下の特典も付いてきたようです。
- ケビン・スミス監督のQ&Aライブ上映の参加権
- パーティへの招待状(ケビン・スミスも参加)
ミントには独自のkeplr walletを使わなければならないなどの注意点もあるため、興味のある方はKilltoy was hereの公式サイトをご確認ください。
(3)「Pulp Fiction」の未公開シーンをNFT化
「Pulp Fiction」とは、1994年に公開され、すぐに一躍人気になったバイオレンスアクション作品です。現代においても名作として知られています。
そんな本作を手掛けたクエンティン・タランティーノ監督ですが、公開から約30年が経った2022年、なんと「Pulp Fiction」の未公開シーンをNFTとして販売することを発表。これには多くのファンからうれしい悲鳴があがりました。
しかし、当時映画を製作・配給したMiramaxから「著作権違反であるとの主張」とともに提訴されてしまいます。これに対し監督側は「反論や申し立てはしない」対応し、NFTのオークションは日程通りに実行されました。なお、その後2022年9月には両者の和解が報じられています。
NFTとして販売されたのは、未公開のノーカットシーン7つです。1つ目のシーンは約100万ドルで落札されましたが、残りの6つは「市場の不安定性」を理由にキャンセルされています。NFTの著作権はどこにあるのか、改めて考えさせられる事件となりました。
3.NFT映画の購入方法
NFT映画の販売方法は自由に決められるところが特徴です。
では、購入方法にも違いはあるのでしょうか。ひとつずつ確認していきましょう。
(1)NFT映画を購入するときの手順
NFT映画の購入方法は、実は通常のNFTと変わりありません。ウォレットや口座を作るだけで完了します。
- 取引所の口座を開設
- ウォレットの作成
- 暗号資産の購入
- ウォレットへの送金
- ウォレットとNFTマーケットプレイスを連携
- NFT映画を購入
詳しくは画像付きで説明しているこちらの記事をご覧ください!
(2)NFT映画を購入するときの注意点
NFT映画を購入するときは、決済時にさまざまな手数料がかかる点に注意しましょう。例えば、チェーンによって異なりますが、イーサリアムの場合ガス代(手数料)が高いことで有名です。マーケットプレイスからも手数料が取られる場合もあります。ウォレットには購入額よりも2000円以上多く入れておくことをおすすめします。
加えて、NFT映画の場合、ランク付けされていることがほとんどです。すでに挙げた「ZERO CONTACT」では最も高額なNFTを買うと映画に出演できたり、「Killroy was here」では最も高額なNFTを買うと監督もいるパーティに参加できたりします。買おうとしているNFTにはどのような特典が付いているのか、購入前にはしっかり確認してください。
4.NFT映画の出品・販売方法
次に、NFT映画の出品方法をご紹介しましょう。
(1)NFT映画を出品・販売するときの手順
NFT映画を出品する手順は、購入方法同様、通常のNFTと変わりません。
- NFTにしたい映画を製作
- 映画をNFT化
- NFTマーケットプレイスに出品
このような手順を踏む必要があります。初心者の人は、画像付きで解説しているこちらの記事からご確認ください。
(2)NFT映画を出品・販売するときのポイント
NFT映画を出品する際は、購入するときと同様、ガス代などの手数料に注意しましょう。購入はしないとしても、ブロックチェーンに情報を刻む際に必要となります。口座開設やウォレットの作成を済ませ、最低限の暗号資産は購入しておきましょう。
また、暗号資産は価格の変動が大きいことで知られています。すなわち、設定した金額よりも上がったり下がったりすることがあるということです。世界最大級のNFTマーケットプレイスOpenSeaなら簡単に値段を変更することができるので、常に価格をチェックしておきましょう。
5.NFT映画の将来性
紹介したNFT映画のように、今後NFT映画は「観る」だけよりも「参加」できるものが多くなっていくのではないでしょうか。通常のNFTやNFTゲームでも製作側との距離が非常に近く、意見できる場が多く設定されています。これまで以上にさまざまな人が集まって作り上げる「作品」としての面が強まっていくかもしれません。
また、これまでに流行した映画がNFTとして販売される可能性も十分あります。
6.映画のNFT化はまだこれから!
映画をNFT化したものは、通常のNFTと比べてまだまだ少数です。最近になってやっと「NFT」という言葉が知られるようになった段階なので、映画をNFTにするという発想自体がまだ珍しいかもしれません。
しかし、NFTの市場がどんどん大きくなっているのも事実です。今後NFTの価値が高まるにつれて、現在保有しているNFTの価値も高まっていく可能性もあるでしょう。これを機に、NFTに触れてみてはいかがでしょうか?
2018年からフリーランスのWEBライターとして活動中です。
知人の紹介でブロックチェーンゲームの記事を執筆してから、暗号資産業界に興味を持つようになりました。
現在は実際にNFTを購入したり、ギルドに所属してブロックチェーンゲームをプレイしたりして楽しんでいます。
NFTは稼げるかどうかよりも「好き」と感じたものを買うようにしているので、流行り物よりも作者のこだわりが強い作品のほうが詳しいかもしれません。